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自主調査

■2011年11月14日 ブロガー・SNS利用者の「対人距離感」


ネットエイジアリサーチ
ブロガー・SNS利用者の「対人距離感」
〜実名伏せて本音・自己開示・なりたい自分〜
 モバイルリサーチを展開するネットエイジア株式会社(本社/東京都中央区、代表取締役:三清 慎一郎、以下ネットエイジア)と株式会社第一生命経済研究所は、「ブロガー・SNS利用者の『対人距離感』」に関する調査をモバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)により実施し、15歳〜44歳の男女で「ブログ・ツイッター・ミクシィ・フェイスブックのいずれかを使っている」と答えた携帯電話ユーザー1,020名の回答を集計いたしました。 今後もネットエイジアでは、世の中の関心が高いテーマの調査、今後のトレンドを占える調査など、マーケティングシーンで役立つさまざまな情報をモバイルリサーチによりタイムリーに提供してまいります。


ネットエイジアリサーチ調査結果>

 パソコン通信、フォーラム、チャットといったキーワードを懐かしく感じる人は、今日のSNSの普及を驚きの目で見ているに違いない。当時、一部の人のツールとされ、「オタク的」であるとすらされた、知らない人とのネット・コミュニケーションを、多くの人が行うようになった。「名前も顔も知らない人とコミュニケーションするなんて怖い」とされていた風潮は、今どのようになっているのだろうか。現代のブログ・SNS利用者は、どのような情報をネット上で公開し、コミュニケーションの相手に対してどのような感覚を持っているのだろうか。これについて、ブログ・ツイッター・ミクシィ・フェイスブックのいずれかを使っている15歳から44歳の男女1,020人を対象に、モバイル調査を実施した。(調査期間2011年9月20日〜9月27日)。

◆ 利用のトップはフィーチャーフォン
 今回の調査対象者は、ブログ利用者56.0%、ツイッター利用者35.9%、ミクシィ利用者58.0%、フェイスブック利用者12.4%となっている(複数利用者が含まれるため、合計値は100%にならない)(図表1)。通信機器の利用状況をみると、スマートフォンを除く携帯電話(いわゆるフィーチャーフォン)が最も多く、その利用率は98%を超えている(図表2)。これにノートパソコン、デスクトップパソコンが続いている。アイフォン以外のスマートフォンとアイフォンのいずれかを使っている割合を調べたところ、9.0%(男性11.6%、女性7.6%)となっていた(図表省略)。これらについて、プライベートで最も利用しているもの1つを選んでもらったところ、全体ではやはり携帯電話が最も高く、以下ノートパソコン、デスクトップパソコンと続いている(図表3)。

◆ 個人情報の公開は多いが感情表出が少ないフェイスブック
 ブログやSNSを活用している人が、実際に自分にかかわるどのような情報をネット上に掲載しているのかについて、個人情報に関するもの、感情、情報の内容にわけてたずねた。
 個人情報に関するものについてみると、「実名(本名)」公開が最も多いのはフェイスブックであり、これにミクシィが続いている(図表4)。ただし、ミクシィでは「ハンドルネーム」「実名ではないが、友人や家族にはわかる名前」といったものの公開も多く、不特定多数の人とのつながりに利用したり、知人間で利用したりといったように、ミクシィの利用方法が多様であることがうかがえる。「自分の写真(本人が特定できるもの)」の公開については、フェイスブックが46.0%で他に比べて高く、やはりこれにミクシィが続いている。知り合いやその知り合いあたりとつながるケースの多いフェイスブックでは、全体的にみて個人情報に関することについての公開度合いが高い。
 一方、感情の表出についてみると、フェイスブックでの公開はどれも最も低いとの結果を得た(図表5)。「自分がうれしかったことについて」については友人への公開が最多で、ミクシィへの公開が僅差で続いている。また、「自分がじまんしたいことについて」「自分が悲しかったことについて」は、フェイスブック以外はいずれも50%台が公開するとしている。また、「自分が感じたさびしさや孤独感について」は、ブログ・ツイッター・ミクシィへの公開が家族への公開を上回る結果となっていた。「自分の弱みやなやみについて」は友人、家族、ブログへの公開の順で高く、フェイスブックへの公開は17.5%と低かった。
 情報の内容についてみると、ここでもフェイスブックでの公開が他と比べて少なかった(図表6)。ブログやツイッター、ミクシィでの公開が多かったのは「日常生活」「趣味や得意なこと、関心事や習慣について」「自分の感情や思ったことについて」となっている。「収入や資産状況、家計」「宗教」「政治」「生い立ち」といったセンシティブな情報については、家族や友人には公開するものの、ネット上で公開する割合は高くない。ただし、「異性関係や性」「健康状態や病気」については、自分が情報公開することで有用な情報がフィードバックされることも想定されてか、センシティブな情報であることを考慮してもある程度公開されている実態がみてとれた。

◆ ネット上だけのつきあいの人の平均人数は14.35人
 続いて、コミュニケーションの状況について、それぞれ該当者がいないとする人を除き、普段どの程度コミュニケーションをとっているかについてたずねた。その結果、全体としては配偶者や自分の息子・娘など、家族とのコミュニケーション(「非常によくコミュニケーションをとっている」と「ある程度コミュニケーションをとっている」の合計、以下同じ)が高い割合を占めた(図表7)。そうした中、「メールやネット上だけの付き合いで、顔を知らない人」とコミュニケーションをとっている人が、53.1%と過半数を占めた点が特徴的である。属性別にみると、男性では「メールやネット上だけの付き合いで、顔を知らない人」とのコミュニケーションは自分のきょうだいより多く、父親と並ぶ割合をしめた。年代が高くなるにつれて自分の男きょうだいとのコミュニケーションが減少し、30代以上では「メールやネット上だけの付き合いで、顔を知らない人」が男きょうだいとのコミュニケーションを上回っている点も興味深い。
 友人知人の平均人数をみると、「会ったことはほとんどないが、電話や電子メールだけで連絡をとりあう人」が3.29人、「ネット上だけでのつきあいの人」が14.35人となっていた(図表8)。

◆ ネット上の相手に共感、対面コミュニケーションより自己開示ができる人も
 ブログやSNSを利用するにあたり、ネット上でかかわる相手に対してどのような意識や感覚を持っているのかについて、「相手の実名や顔を知らないことで生じる感覚」「相手を知人と感じるかについての感覚」「自分の本名を公開しないことによる感覚」の3つにわけてたずねた。
 まず、「相手の実名や顔を知らないことで生じる感覚」についてみると、約8割が「主にネット上でつきあっていても、実名や顔を知っている人と、知らない人とでは、知っている人のほうが信じられると思う」と回答している(「そう思う」と「まあそう思う」の合計、以下同じ)(図表9)。その一方で、「実名や顔を知らないネット上の相手と、『気が合う』と感じることはあると思う」「実名や顔を知らないネット上の相手には、対面では話しにくいことも気軽にいえると思う」については、67.0%が肯定した。また、「実名や顔を知らないネット上の相手を、身近に感じることはあると思う」についても、57.0%が肯定している。実名や顔を知らないことは、信頼面で実名や顔を知っていることに及ばないものの、ネット上の相手に対して共感したり、ネットでは対面でのコミュニケーション以上に自己開示を行えるとする人が多いことが明らかとなった。
 また、実名や顔を知らないネット上の相手とどのような交流を行えば「知人」とみなされるのかについてたずねたところ、45.3%が「ネット上で何度かやり取り」、43.4%が「ハンドルネームやアバターなどの、決まった呼び名で交流」すれば「知人」とみなすと回答した(図表10)。「ネット上で自分の発言に返答してくれた」程度では28.7%しか「知人」とはみなさないとの回答を得たが、15-19歳では38.2%がその状況で「知人」とみなすと回答している。
 最後に、「自分の本名を公開しないことによる感覚」についてみると、約7割が「言いたいことをいいやすいと思う」と回答し、約5割が「『こうなりたい自分』になることができると思う」と回答した(図表11)。また、男性では「相手にきびしくなりやすいと思う」「相手に対して攻撃的になりやすいと思う」が、女性では「相手にやさしくしやすいと思う」「相手の気持ちになりやすい・共感しやすいと思う」が、それぞれ相対的に多かったことから、ネット上で匿名でいることによる感情表出の性差が感じられた。さらに性差が大きかったのは、「自分の名前を公表していない状況では、ふだん出せない自分を出すことができる」(男性<女性)と「お互いに実名を公表せずにネット上だけで交流している相手と、実際に会って交流したいと思うことがある」(男性>女性)で、それぞれ10ポイント程度の差が確認された。
 現代のコミュニケーションは、性別や年代差だけではなく、使っているメディアやサービスによって、自己表出や他者への感覚が異なってきていると考えられる。自分が相手を知人とみなしていても、果たして相手が自分を知人と考えているかは不明である。サービスの多様化に伴い、ネット上での対人感覚も多様化しているのだろう。「ネットとリアル」という区別が消滅しつつある中、ブログやSNSの利用者に限ったデータでもこれだけの差異が確認されるということは、非利用者を含めて考えるとそのギャップは計り知れない。

(株式会社第一生命経済研究所 ライフデザイン研究本部 副主任研究員 宮木由貴子)


注:本調査レポートの百分率表示は四捨五入の丸め計算を行っており、合計しても100%とならない場合がございます。


□ 調査概要(クローズド調査)
○ 調査対象… 15歳〜44歳の男女で、「ブログ・ツイッター・ミクシィ・フェイスブックのいずれかを使っている」と回答した携帯電話ユーザー
○ 調査地域… 全国
○ 調査期間… 2011年9月20日〜9月27日
○ 回答サンプル数… 1,020名(回答者キャリア内訳:NTTドコモ55.0%、au36.3%、ソフトバンク8.7%)
性別:男性34.6%、女性65.4%
年代:15〜19歳16.7%、20〜24歳16.7%、25〜29歳16.7%、30〜34歳16.7%、35〜39歳16.7%、40〜44歳16.7%)
○ 調査方法… モバイルリサーチ(3キャリア)

□ 調査内容
  • プライベートでのメール利用頻度
  • 【ブログ】【ツイッター】【ミクシィ】【フェイスブック】の使用状況
  • 次のことについて、どの程度あてはまるか
    • 実名や顔を知らないネット上の相手には、対面では話しにくいことも気軽にいえると思う
    • 実名や顔を知らないネット上の相手と、「気が合う」と感じることはあると思う
    • 実名や顔を知らないネット上の相手を、身近に感じることはあると思う
    • 実名や顔を知らないネット上の相手に、拒絶されたり否定されたりしても傷つかないと思う
    • 主にネット上でつきあっていても、実名や顔を知っている人と、知らない人とでは、知っている人のほうが信じられると思う     など
  • ふだん使っているデバイスとプライベートで一番使っているデバイス
  • ブログやツイッター、ミクシィ、フェイスブックで以下の自分の情報を公開していますか
    • 実名(本名)
    • 実名ではないが、友人や家族にはわかる名前
    • ハンドルネーム
    • 年齢もしくは生年月日
    • 性別
    • 自分の写真(本人が特定できるもの)
    • 自分の写真(友人や家族でないとわからないもの)
    • 連絡先(メールアドレス、電話番号、住所等)
    • 現在の職業・会社名や学校名
    • 出身学校、以前の職業・会社名など、過去の履歴
    • 家族構成
  • 自分に関する以下の内容について、【家族】【友人】【ブログ】【ツイッター】【ミクシィ】【フェイスブック】に開示しますか。それぞれについてお答えください。
    • 自分がうれしかったことについて
    • 自分がじまんしたいことについて
    • 日常生活(したことや食べたもの、行った所など)について
    • 健康状態や病気について
    • 宗教について
    • 政治について     など
  • あなたには以下のような人(家族を除く)が何人くらいいますか
    • ふだん、電話で連絡をとりあう人
    • ふだん、電子メールで連絡をとりあう人
    • ふだん、よく会っておしゃべりをする人(職場や学校で会って話す友人も含む)
    • 休日などに一緒に買い物に行ったり遊びに行く人
    • 「親友」と呼べるような人     など
  • ふだん、以下の人たちと、どのくらいコミュニケーション(会話、メールなどのやりとり)をしますか
    • 配偶者(夫や妻、パートナー)や恋人
    • 自分の父親
    • 自分の母親
    • 男性の友人・知人
    • 女性の友人・知人     など


 本件についてのお問い合わせ

■ネットエイジア株式会社 マーケティング事業本部 担当:山名(ヤマナ)
http://www.mobile-research.jp/
Tel: 03-3531-1411   Fax: 03-3531-1461  お問い合わせフォーム

■ ネットエイジア株式会社について
【社名】ネットエイジア株式会社
【所在地】東京都中央区新川一丁目27番8号 新川大原ビル7階
【代表者】代表取締役 三清 慎一郎
【設立年月】2005年2月
【資本金】3億1552万円
【事業内容】モバイルリサーチ事業
【URL】http://www.netasia.co.jp/


■ 株式会社 第一生命経済研究所について
【社名】株式会社 第一生命経済研究所
【所在地】東京都千代田区有楽町1丁目13番1号
【代表者】代表取締役 長谷川 公敏
【事業内容】
  • 国内外の経済・金融・文化に関する調査・研究
  • 保険・年金に関する市場動向、および生活保障(社会保障・企業内福祉)、家計動向、人口問題(少子化・高齢化)等に関する調査・研究
  • ライフデザイン(健康・教育・家族・心など)に関するさまざまな調査・研究
  • 講演会・セミナーの開催、出版物・資料の刊行その他各種情報提供サービス等
  • ライフデザインセミナー『洋洋人生のススメ』の実施
  • マネーデザイン(経済設計)、ヘルスデザイン(健康設計)、タイムデザイン(時間設計)の3つのテーマから構成され、それぞれの側面から具体的にアドバイス
  • ウェルライフセミナーの実施 健康・医療・介護に関する様々なセミナーの企画・運営
【URL】http://group.dai-ichi-life.co.jp/cgi-bin/dlri/d_top.cgi




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